競り落とすには度胸が必要
中橋睦男
トップページ > ニュース > 2014年11月 > 越前がに豊漁期待輝く44隻出港 越前町・解禁前夜の光景
6日の越前がに漁解禁を控えた5日夜、福井県越前町から底引き網漁船44隻が一斉に出港した。漁船は沖合に一時集結。海上に多数の光が浮かび、幻想的な光景が広がった。越前地区の高台では、漁場へ向かう漁船を見送る家族の姿が見られた。
同町漁協によると、越前がに漁解禁日の前日は沖合に漁船が集まった後、一斉に漁場へ向かうのが昔からの習わし。誰も網を入れていない漁場に一刻も早く到着したいためで、漁師の士気も高まるという。
5日午後8時半ごろ、同町大樟、小樟の漁港では、出漁準備をするため漁船の作業灯がともり始めた。漁師らは安全と豊漁を願ってお神酒を船にまき、機具を点検。真剣な表情で夜の海を眺めた。
同9時から同10時ごろ、漁船が次々に出港。家族らは「気をつけて」「何事もないように」と声をかけ送り出していた。
出港した漁船は沖合約500メートルに集合し、海上は光の群れに。午後10時半、漁船は合図と同時に漁場へ勢いよく向かった。低いエンジン音が響き渡り、20~30キロ離れた漁場を目指した。高台を走る同町厨などの国道305号では、家族らがみるみる遠ざかる漁船の明かりを静かに見守っていた。
※越前かに、越前ガニ、越前カニなどの呼称もありますが、福井県は統一ブランド名として「越前がに」としています。