漁船と連携し品質を判断
田村幸次
トップページ > ニュース > 2015年1月 > 越前がに、今季は全体的に高値? 福井沖漁獲予想「少なめ」
福井県を代表する味覚、越前がにの漁が6日解禁される。県の調査によると、本県沖合での今シーズンの予想漁獲量は、雄のズワイが「昨シーズンより、やや少ない」、雌のセイコは「昨シーズン並みか、やや少ない」となった。
昨シーズンの漁獲実績は、雄が341トン、雌は119トンだった。実際の漁獲量は天候に左右される面も大きいが、一般的に漁獲量が少なくなれば単価は上昇する。脱皮後間もない雄のズボガニ(水ガニ)の漁期が今シーズン短縮されることもあり、越前がに全体で昨シーズンより高値も予想されそうだ。
調査は県水産試験場が6月、県内20地点で試し引きを行って実施。網に掛かった数などから資源量を推定した。その結果によると、今年の漁獲の中心になる生後8年程度の雄は、その前後より資源水準が低くなっている。雌についても漁獲対象になるものが少ないという。来シーズン以降に漁獲対象となる個体については、雄雌ともに十分な数がいるとみられる。
漁期は、ズボガニが昨シーズンから8日間短縮され、来年2月1日~3月12日まで。漁期の短縮は2年連続となる。ズワイは6日から来年3月20日、セイコは6日から12月31日までとなっている。
越前がに漁を行う漁船は、大小75隻が5日に出港。6日午前0時の解禁と同時に網を入れ、夕方ごろまでに帰港する。初競りは越前町漁協で同日午後5時、県漁連三国支所で同日午後6時から始まる。
越前がにの漁獲量は、1979年度の210トンを底に緩やかに回復。近年は雄が300トン台、雌が100トン強で推移している。国の2013年度版資源評価によると、本県沖など日本海西部海域の資源動向は横ばい傾向にあるとされている。一方、県内での漁獲金額は昨シーズン、過去最高の18億6600万円を記録している。