「越前がには日本で一番おいしいカニ」
田村幸一郎
トップページ > ニュース > 2015年1月 > カニ殻、稲生育に効果あり 越前町で散布報告会
今年福井県越前町で行われたカニ殻と微生物を散布した稲作の生育・品質報告会が14日、同町内郡の飲食店で開かれた。他の水田と比べ、稲穂の成長に一定の効果があったことなどが報告された。
カニ殻を使った稲作は町内外でこれまで行われてきたが、福井工大の草桶秀夫教授が昨年行った実験で、微生物を組み合わせた方法が効果的という結果が出た。越前がにの漁獲量が多い同町でも生かせないかと、町の農家らでつくる「丹生の里山米生産会」が実験を依頼。今春から約30アールの水田で行ってきた。
昨年の実験では田植え前に1度だけ散布したが、今年は田植え前、田植え後、7月の3度、計約20キロを散布。9月11日時点の稲穂の長さが95・2センチだったのに対し、隣接する未散布の水田は91・2センチと、散布した水田の方が成長した。
一方で、稲穂が伸びすぎたことで倒伏が多く起き、そのため米の品質低下を招いてしまったという。県丹南農林総合事務所の西向利浩主任は「倒伏したことで、散布の有無による品質の違いは分からなかった。肥料を減らして再度実験したい」と話している。