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田村幸次
トップページ > ニュース > 2013年12月 > 越前がにを愛した開高健氏追悼 越前町でファンら「水仙忌」
祖父母と父親が福井県坂井市出身の作家、故開高健氏を追悼する「水仙忌」が7日、越前町梅浦の旅館「こばせ」で開かれた。これまでは「偲(しの)ぶ会」として開いていたが、開高氏が水仙の美しさを随筆に書いていることなどからことしは「水仙忌」とした。ファンら約30人が人柄や作品に触れ、食に、酒に、釣りにと人生を謳歌(おうか)した故人をしのんだ。(久慈かおり)
偲ぶ会は12月9日の命日に合わせて、「開高健記念会福井」が11年から開いている。同会福井は2009年に発足。紅茶会やゆかりの地巡りなどを通して顕彰している。開高氏は越前がにが好きで、生前何度も「こばせ」に足を運んだという。
この日は同会福井の会長でこばせの長谷政志さん(81)が「先生が残した“宝”であるたくさんの言葉を大切にし、今後も活動を続けましょう」とあいさつ。参加者が開高氏の肖像画の前に水仙を献花し、「釣りの話をするときは両手を縛っておけ」「悠々として急げ」など、開高氏が残した「箴言(しんげん)」を朗読した。
開高健記念会(東京)の永山義高会長が「多面体の輝き 作家・開高健の疾走」と題して講演。純文学、ノンフィクション、釣りルポなど多彩なジャンルの作品を手掛け、1964~65年にベトナム戦争の取材をした際には、死を覚悟して遺影を撮影したことなどを紹介した。
最後に、参加者全員で開高氏が好んで食べたというこばせ名物、たっぷりのセイコガニをまぶした「開高丼」に舌鼓を打った。