
左右集落で唯一ウニ漁を続ける現役の海女、林京子さん(73)は、その道50年を超す大ベテラン。「ウニを毎年楽しみにしている人のために採り続けたい」と意気込む。
代々続く漁師一家に生まれ、20歳から本格的に海に潜り始めた。毎年7月に漁が解禁すると水深約3メートルまで素潜りし、岩の裏に隠れたバフンウニを採る。
左右はかつて海女漁が盛んで、何十人もの海女がウニやアワビなどを採っていたが高齢化し、現在は林さんただ一人。近年はウニの採れる量も減ってきているという。それでも「毎年解禁日が近づくと、海に潜りたくてうずうずしてくる」。
夫の英二さん(72)とともに塩ウニに加工し、息子の慶太さん(47)が社長を務める県産物の卸販売会社から全国の消費者に届ける。体力的にも大変な漁だが「待っている人がいるという気持ちが海女を続けるモチベーション。今年こそウニを多く採ってこれたら」と笑みをこぼした。