福井県と17市町に2024年度寄せられた「ふるさと納税」の寄付は87万7150件(前年度比7・5%増)、188億1057万円(同17・0%増)となり、件数、金額とも過去最高を更新したことが県のまとめで分かった。寄付額は県と13市町で前年度を上回った。コメ不足と価格高騰で県産米の返礼品に注目が集まり、寄付額を大きく伸ばした自治体が目立った。
市町別では、敦賀市が前年度比5・0%増の83億9258万円を集め、県全体の44・6%を占めた。ズワイガニやエビなど海産物の返礼品が引き続き人気だった。2位は鯖江市の20億6678万円で、同43・3%増と大きく伸ばした。同市の担当者は「人気の高い鯖江産眼鏡の引換券の対象店やブランドの拡大などが実を結んだ」としている。
次いで坂井市の17億4238万円(同5・2%増)。越前町が同41・6%増の15億2604万円、あわら市は同61・5%増の12億5913万円で続いた。越前町は海産物返礼品の充実や越前がに豊漁などの影響で大幅増となった。あわら市は、北陸新幹線県内開業効果で温泉旅館の宿泊券が好調で、コメ返礼品への寄付額も3倍に伸びた。
寄付額の伸び率は池田町の611・7%増が最も大きく、小浜市が112・2%増、福井市が66・6%増で続いた。小浜、福井両市はコメの返礼品に人気が集まり、小浜が前年度比4倍、福井も3倍に上った。小浜は昨年末、福井は3月に24年産米の在庫がほぼなくなったという。
県への寄付件数は3220件で前年度から374件減ったが、寄付金額は8・2%増の1億5506万円となり過去最高を更新した。県定住促進課によると、県内大学生の学びや高校生の長期海外留学の支援、福井城址(じょうし)の「坤櫓(ひつじさるやぐら)」の復元事業に多くの寄付が寄せられた。
県と17市町に24年度寄せられた「企業版ふるさと納税」の寄付も207件(前年度比5・6%増)、3億5048万円(同26・9%増)となり、ともに過去最高を更新。県への寄付が55件、1億6781万円を占めた。同課によると、県内で就職したU・Iターン者に対する奨学金返還支援や、スポーツのふくい県民応援チーム「FUKUI RAYS(フクイレイズ)」の強化・育成に多額の寄付が集まった。