
越前市の企業が陸上養殖実験をしているバナメイエビを使った料理の試食会が2日、市生涯学習センターで開かれた。市や観光、経済団体の関係者ら約30人が塩焼きや刺し身、すし、天ぷらを味わい「歯応えがあっておいしい」と品質に太鼓判を押した。
バナメイエビは、天ぷらやエビフライなど和洋中の料理に使われる。キャラクターグッズの企画・卸売りなどを手がけるウロール(越前市広瀬町、川上正宏社長)が昨年12月から養殖に取り組んでいる。市内の空き家に縦2メートル、横3メートルの水槽を設け、重さ0・4グラムの稚エビ約600尾を養殖。3カ月間で約20グラムに育った。共食いがあったため、生き残ったのは約半数。
この日は、市内飲食店の料理人が4品を調理した。試食会では、山田賢一市長が刺し身を味わい「臭みがなく甘くて優しい味。おいしい」と絶賛。養殖エビについて「市としてもブランド化につなげられたらいい」と期待を込めた。
川上社長は「最初の養殖としては成功と言える。将来的には越前がにに負けないような特産品にしたい」と意気込みを語った。
同社は5月から2回目の養殖実験を始める予定。育てたエビはイベントなどで食べてもらい、認知度を高めるとともに飲食店への出荷も目指す。川上社長は「2年後には大規模な養殖プラントを着工し、生産体制を整えたい」と話している。