競り落とすには度胸が必要
中橋睦男
トップページ > ニュース > 2015年3月 > スボガニ禁漁めぐる確執収束へ 三国港底曳網漁協が石川に協力
脱皮間もない雄のズワイガニ「ズボガニ」(ミズガニ)について石川県の漁業者が昨シーズンから自県沖では禁漁にするとした自主規制に、福井県の三国港機船底曳網漁協(濵出征勝組合長)が協力する方針を固めたことが12日分かった。石川沖で操業する本県の漁船の多くは同漁協所属で、昨年末に顕在化したズボガニ漁をめぐる両県の確執は収束に向けて大きく前進した。
漁業関係者によると、坂井市内で10日、同漁協と石川県漁協加賀支所の間で話し合いが持たれた。同県側は引き続き禁漁とする意向を伝え、福井県側が石川沖での禁漁に最大限協力する方針を伝えた。 ズボガニ漁をめぐっては石川県が昨年12月、ズボガニ禁漁の周知を福井県へ要請。今年1月には石川県底曳網漁業組合が、本県底曳網漁業協会に対応を求めてきた。
これに対して福井県側は、石川県から島根県にかけての日本海西部海域での自主規制について話し合う「ズワイガニ特別委員会」で石川県側から提案がなかったことや、要請が漁期直前で対応が困難だったために昨シーズンは通常通り操業した。
ただ両県間ではカニにかかわらず、幅広い魚種や海域で自主規制を求めてきた経緯があり、「自主規制はお互いさま」との認識が漁業者間では強い。このため、福井県側としては時間的に十分な対応が可能な今シーズンの漁から石川県側の意向を尊重する判断を下したとみられる。
県レベルで禁漁に協力するか否かについては、福井県底曳網漁業協会が今年4月下旬、福井県内全域の漁業者に是非を判断するよう通知しており、同8月中に同協会として判断する。福井県の調べでは、仮に福井県内全域の漁業者が禁漁に協力する場合でも福井県の漁船が、石川沖で捕るズボガニの量は全体の5%程度とされ、福井県への影響は限定的とみられる。
また福井県沖でのズボガニの漁期について同協会は、昨シーズンの漁期(2月1日~3月20日)より10日間程度、短縮する方針という。