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ズボガニ単価1.5倍超「高級品」に 漁期短縮「庶民の味」遠く

2014年04月03日

漁、競り・市場

 2013年シーズンの越前がに漁が過去最高の漁獲金額を記録した中で、ズボガニ(水ガニ)については漁獲量、金額ともに大幅に落ち込んだ。漁期が21日間も短くなったことが主因。一方で単価は前期比1・5倍超に跳ね上がった。石川県では今期、漁業者が自県沖での漁を自主規制したこともあり、「福井の庶民の味」をめぐる情勢が一変したシーズンとなった。

県底曳網漁業協会のまとめでは、13年のズボガニの漁獲金額は1キロ当たり平均1231円で前年比56・6%増。山陰沖で漁が終わった後の3月は、1キロ当たり平均1307円にまでなった。「いつもは1パック千円前後だが、今シーズンは1500~1980円程度で売らざるを得なかった」と、福井市内のあるスーパーの鮮魚担当者は漏らす。

ズボガニをめぐっては、1年後に漁獲すればズワイガニとして価格が10倍になることや資源保護を目的に、石川県の漁業者が同県沖での漁自粛を決め、本県側にも協力を求めてきた。ただ要請が2月1日の漁期開始直前だったことから本県側は通常通り操業した。

漁業者同士のトラブルはなかったが、坂井市三国町の鮮魚店の担当者は「石川県側が自主規制するという話から品物がないのではないかと思っていた人もいた」と、販売への一部影響を指摘する。価格高騰もあり、「ズボガニの売れ行きはだいたい、いつもの半分だった」という。

石川県の漁業者は3月末、来期もズボガニ漁の自粛を継続する方針を決定。加賀沖での操業ルールなどについて4月中に、三国や加賀の漁業者同士で話し合いの場が持たれる予定だ。 (坂下享)


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