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池野政義
トップページ > ニュース > 2014年9月 > 越前がに漁獲金額、50年で最高 漁期短縮で豊漁も価格下がらず
3月20日で終了した2013年シーズンの越前がに漁は漁獲金額が18億6624万円となり、過去50年間で最高を記録したことが県底曳網漁業協会の漁獲実績まとめ(速報)で明らかになった。雄のズワイが豊漁の割に価格が下がらなかった上に、雌のセイコは資源回復の取り組みとして漁期が短縮された影響で単価がつり上がり、前シーズン並みの金額を確保できたため。燃料、資材高にあえぐ漁師への恩恵は大きかったが、家庭の食卓にとっては、さらに“高値の花”となった。
まとめによると、ズワイの漁獲量は264・4トンで前期比15・4%増。41年ぶりに260トンを超えを達成した。金額は14億1561万円で、同17・5%増だった。1キロ当たりでは同1・8%増の5354円。特に12月は「出漁できる日と荒天が数日周期で訪れ、値崩れしなかった」(同協会担当者)ため、月平均単価は7155円まで上昇した。
豊漁にもかかわらず、単価が落ちなかったことについて別の漁業関係者は「日本海西部海域全体では、漁獲量が少なかったことも影響したのではないか」と分析している。
セイコは119・4トンで、同30・4%の大幅減。漁期を10日間短縮したことが響いた。半面、品薄感から漁獲金額は、1キロ当たり平均で2986円と同42・0%の大幅増。総額では3億5642万円の同1・2%減と、ほぼ横ばいで終わった。一方、脱皮間もない雄のズボガニ(水ガニ)は、漁期を21日間短縮したことなどから漁獲量が同54・9%減の76・5トン、漁獲金額が同29・4%減の9421万円と、ともに大幅減となった。
越前がにの漁獲金額は88年に初めて10億円を突破。これまでの最高金額は95年の18億2243万円だった。漁獲量は64年に1091トンだったものが急減し、79年には210トンにまで落ち込んだ。その後資源回復の取り組みもあり、ここ20年は500トン前後で推移している。漁期短縮などの取り組みは、当面続くことから同協会担当者は「来シーズンも全体的に、高値で推移するのではないか」とみている。