漁船と連携し品質を判断
田村幸次
トップページ > ニュース > 越前がにミュージアムを初公開 立体映像やジオラマ
建物完成後、二十日初めて公開された「越前がにミュージアム」は周辺のアクティブハウス越前、漁火(いさりび)温泉を含んだ福井県越前町の滞在型観光の拠点施設。映像、模型などを使い越前ガニの生態を視覚的に訴えるミュージアム棟が目玉になっている。
同ミュージアムは鉄筋鉄骨コンクリート造り三階建て、延べ三千九百二十九平方メートル。総事業費二十億円を掛け一九九八年に着工、年間入場者数十五万人を見込んでいる。
ミュージアム棟はカニの甲羅をイメージしたもので地上十六メートルの三階構造。玄関を入るとタイ、ヒラメなどが泳ぐ七メートル五〇センチのトンネル水槽が広がり、まるで水族館。通り抜けた奥には同館シンボルの巨大ガニ「ビックラブ」が歓迎してくれる。
三階から一階まで吹き抜けになっているメーンのジオラマは、海面からカニが生息する深海三百メートルまで表現したもの。模型を使い百メートルごとに変わる魚種、海底の越前ガニの生態を立体的に見せている。各階を結ぶ回廊には小窓を設け映像でも生態系、漁業を見ることができる。
明治時代から続くカニ漁の変遷をたどる展示スペース「かに漁今昔」では底引き網や船を引き揚げるのに使用したロクロを紹介。過去の福井新聞からたどった献上ガニのルーツも知ることができる。
ほかにも海中シアターでは厳しい冬のカニ漁とにぎわう町、深海に生きるカニを立体映像で見せるほか、カニの複眼を通した深海の様子を再現するファンタジーゾーンもある。マーケット棟一階には町内二十五業者が組織する越前海鮮組合のカニ市場が開かれ、二階は越前産の新鮮な魚料理が楽しめるレストランが入る。
同館では今後、小学生などにカニ漁の漁網を制作してもらい、実際に漁で使用するなど漁業に対する関心を高めていくという。
またオープンに先立ち越前町は「蟹の文学コンクール」(福井新聞社共催)の応募を二十日開始した。九月二十日締め切り。Eメール応募のアドレスはkani―con@violin.ocn.ne.jp