越前がにならおまかせ
納谷一也
JR福井駅から徒歩1分のハピリン一階。看板の越前がにをはじめ、厳選した素材の良さを丹念な調理で引き出す。笏谷石や越前和紙を生かした店内は、街なかとは思えない、温もりあふれる落ち着いた空間。地元の人も県外からのお客さまも、福井ならではの味とおもてなしで迎えてくれる。
越前海岸には「カニ観10年、カニ炊き一生」との言葉が伝わる。カニの目利きが出来るようになるまでに10年かかり、最大限にカニのおいしさを引き出すゆで方を体得するまでには一生かかるという意味だ。
店を営むかに問屋の親方は、これまでに数え切れないほどのカニを見極め、買い付けてきた。〝浜〟でも指折りの「セリ場のカニを一目みれば、瞬時にその善しあしがわかる」目の持ち主だ。
味の秘密は目利きだけではない。越前港で仕入れたカニは、目の前の海の水を満たしたいけすで水質管理を徹底し、生きていた海と同じ環境に保たれる。そして店で提供する直前に締め、その姿をお客さんに確認してもらった後にゆでられる。塩加減やゆで時間はカニの大きさに合わせてその都度細かく微調整。ゆで上がったカニを口にすれば、香りとうま味の違いに「カニ炊き一生」の技がはっきりと感じられる。
「福井市内でこれだけの質と量のカニを、この価格でお出しできるのはここだけ」と大山口裕子店長。市街地の真ん中にありながら、越前海岸で食べるのと変わらないお値打ちさも、かに問屋が営む店ならでは。オススメは燦々コース。かに刺し、焼きがに甲羅焼き、せいこがに1杯に続いて、熱々の越前がに(2人で1杯)が登場するフルコースだ。昼食にもセイコガニ甲羅盛りの付く「冬の玉手箱」など越前がにメニューをそろえる。ズワイガニの最上級ブランド「極」も用意できる。
カニだけでなく、魚や野菜などの食材に、越前焼の器、越前打刃物の包丁、福井県出身の建築デザイナーによる内装など店の随所に福井の良さを詰め込み、スタッフは肩の力を抜いて食事を楽しんでもらえるよう、おもてなしに努める。
所在地 |
〒910-0006 福井県福井市中央1丁目2番1号ハピリン1階(JR福井駅隣接) |
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TEL | 0776-50-2901 |
FAX | 0776-50-2921 |
駐車場 | 有り |
アクセス | JR福井駅西口より徒歩1分 |
営業 | 定休日:年中無休 |