長年の経験と技術でカニの居場所探る
中野良一
トップページ > ニュース > 2015年10月 > 茶色いブツブツとミミズ?は何? 越前がに解禁日回顧(2)
越前がに漁が解禁した6日、福井県越前町の越前漁港で、初競りを控えたオスの大きなズワイガニが水槽でじっと「その時」を待っていた。気になるのは、甲羅にビッシリとついている茶色いブツブツと、ミミズのようなちょっと不気味な生きもの。これは一体何?
これは、カニビルとその卵。親は9~10センチメートルで、体の先端と後端を交互に吸い付けながら、甲羅の上を動き回るという。
4、5ミリほどの茶色のブツブツが卵。カニのヒル、というとカニから栄養を吸い取って害がありそうだが、カニビルは魚をエサとしていて、卵を産み付ける場所として甲羅を利用しているだけで、まったく害はないという。
むしろ、脱皮間もないカニには卵はなく、脱皮後の期間が長いほど卵がビッシリとつくことから、肉の実入りが良いことを示しており、おいしいカニの目安になる。 なお、親は水洗いしたり、ゆでると落ちるため、一般の人の目に触れることは少ない。一方で、卵の殻はカニビルの幼生がふ化した後の「殻」がゆでた後でも残るため、家庭などでも見かけることがある。
※越前かに、越前ガニ、越前カニなどの呼称もありますが、福井県は統一ブランド名として「越前がに」としています。