福井県越前町では三年越しのビッグプロジェクト、カニのテーマパーク「越前がにミュージアム」建設が最終年度を迎える。財源となっていた商工費、介護保険事業に伴う民生費の大幅な減少で一般会計は前年度比一七・二%減の三十六億二千四百六十四万円となった。
ハード整備は基幹産業の観光・漁業中心に絞り込んだ。町債発行を五三・三%減の三億八百七十万円にとどめ、経常的経費も前年度に続き一割削減を目標とした。起債制限比率は一九九八年度決算で一一・〇%だが、財政担当者は「二〇〇三年には一五%を超える見込み」と話し、今後一層厳しい財政運営を迫られる。
主な事業は、七月十五日に開館する越前がにミュージアム建設・備品整備に一億八千六百五十五万二千円を計上したほか、オープニングイベント費用に約二千八百万円を盛った。七月八、九日のプレ公開を皮切りに二十日までコンサートや海産物を振る舞う無料レストラン開設などの催しを展開する。水仙ランドの水仙の館内に三千六百万円をかけ「冷室庭園」を整備。越前水仙を通年栽培し観光客増につなげる。またランド内で試行的に取り組む雪害対策のネットハウス整備に八十万円。
水産事業費は約五割増の六億二十万七千円。継続事業の米ノ浦漁港公有地整備に一億五千万円、越前漁港環境整備事業に九千六百八十万円を計上。漁場保全事業には二千二百五十万円を充て、アカガレイやアマエビの漁場となる海底を耕す。
特別会計の集落排水処理事業では梅浦から厨にかけての下水管敷設、処理場建設工事に九億五千四十万円余りを盛った。