福井県が誇る冬の味覚の王様、越前がにの漁が6日解禁された。解禁時刻の6日午前0時に向け、坂井市三国町や越前町から漁船が出港。日付が変わると一斉に漁を開始した。福井県越前町大樟の越前漁港では同日午前9時ごろから、漁を終えた漁船が帰港。新鮮な越前がにが次々と水揚げされ、港は待望のシーズン到来に一気に活気づいた。
越前漁港では5日、安全大漁祈願祭が行われ関係者56人が安全と豊漁を祈願した。同日夕方ごろから、大小合わせて約50隻の船が漁場までの距離を考慮し順次出港。解禁とともに作業を始め数時間かけ、繰り返し網を投入した。
6日午前9時ごろ、漁を終えた船が港に戻ると、その後次々と船が帰港。漁師たちは船から越前がにの雄のズワイガニや雌のセイコガニが入ったトロ箱を水揚げ。港で待ち受けていた地元の住民らは、越前がにブランドの証である黄色のタグを付けるなど、作業に追われている。
今年9月、国が地域の農林水産物や食品をブランドとして保護する「地理的表示(GI)保護制度」に、カニとしては全国で初めて越前がにが登録されたことを受け、新しくGIマーク入りのタグが用意された。
良永丸の前坂良明船長(41)は「初回としては波も低く、昨年より良かった。GIにも登録され、これまで以上に丁寧な作業で良い越前がにを届けたい」と話した。
同港の初競りは同日午後4時、坂井市の三国漁港では午後6時から行われる。漁期はズワイが来年3月20日まで、セイコが12月31日までで、ミズガニは来年2月19日に解禁となり3月20日まで。いずれも昨季と同じ漁期になっている。