トップページニュース > 北前船の町で〝帆待ち〟 坂井・オーベルジュ 本紙記者が宿泊体験 町家の趣やツアー、地産料理を堪能 三國湊 往時の隆盛実感

北前船の町で〝帆待ち〟 坂井・オーベルジュ 本紙記者が宿泊体験 町家の趣やツアー、地産料理を堪能 三國湊 往時の隆盛実感

2024年02月15日

宿

客室の2階寝室。屋根裏の古い造りがアクセントとなり、現代風の部屋にも融和する=坂井市三国町神明3丁目出村周辺は趣のある町並みが続く。ガイドの説明で、三國湊に興味がそそられる客室棟の玄関に敷かれた笏谷石の青が美しい 湊町の複数の空き家をリノベーションし、趣ある旧市街を一つのホテルに見立てた、新スタイルの分散型宿泊施設が先月末、坂井市三国町に誕生した。旅慣れた富裕層やインバウンド(訪日客)らの目には、北前船で栄えた町がどのように映るのか。本紙記者が1泊2日で宿泊体験してみた。

 「帯の幅ほどある」と三国節にも唄(うた)われる町、三國湊。「オーベルジュほまち 三國湊」の客室棟は、その旧市街に9棟が分散して建つ。

 まずは旧森田銀行本店近くのフロント棟(三国町南本町3丁目)でチェックイン。「どの部屋だろう?」とわくわく。「麻の葉」と伝えられ、玄関を開ける暗証番号が渡された。客室棟まで徒歩8分。近づいても「どこ?」と思うほど客室棟の外観は、赤茶色の町並みに溶け込んでいる。「ほまち」の青のれんで玄関口が見つかった。

 木造2階の建物は、昭和の漁師の町家だったという。玄関に敷かれた笏谷石が美しい。2階には通りに面した格子出窓、天井に走る梁(はり)や屋根裏が昔をしのばせる一方で、キッチンや浴室、ソファは真新しい匂い。そのギャップが楽しい。

 ディナーまでまだ数時間あるので、オプションのまち歩きツアーに参加した。地元の平林淳子さんの案内で、旧花街の出村周辺を歩く。かつては北前船で運んだたばこを売っていた古美術店へ。通りから九頭竜川の川湊まで突き抜ける廊下は50メートルもある。「船から降ろした荷物を店先に運んだり、船具のロープの長さを測ったりするのにも便利だったの」と同店の近藤克子さんが説明してくれた。北前船で栄えた往時を理解した上で、客室棟までの道を戻ると、湊町文化が実感できる。

 夕食は「かぐら建て」を生かしたフレンチレストラン。この日は三国産甘エビや越前がに、昆布だしなど地ものをふんだんに使った独創的なメニュー。「ここでしか食べられない新しい料理を」と吉野建シェフ。

 翌朝、外は冷たい風が吹いていたが、ゆっくり休んだ体は軽い。出航するのに良い風を“帆待ち”した北前船の船員も同じ気持ちでこの町を過ごしたのかと想像を巡らせた。


おすすめの宿

おすすめの宿一覧

光風湯圃 べにや

光風湯圃 べにや

3年の構想を経て再建された"老舗旅館"

割烹旅館 越前満月

割烹旅館 越前満月

広大な敷地にわずか9室をしつらえた木造平屋造りの宿。広々とした部屋、和の庭園、贅を尽くした露天風呂付客室がお迎えします。

おすすめの料理店

おすすめの料理店一覧

みくに隠居処

みくに隠居処

国内最上級品質の「三国産」越前がにを使用したコース料理が日帰りで楽しめる。家族や会社の小旅行などでも気軽にご利用頂けます。

越前かに料理「鹿島」

越前かに料理「鹿島」

三国の海・空そして極上の越前かにフルコース料理!

旬味 泰平

旬味 泰平

四季折々の旬の味覚を楽しめる店。越前がにを引き立て、より美味しく味わうための“合間の一品料理”にもこだわるおもてなし。

越前がに職人

一覧

10日先の天気を見て仕入れ

中瀬康雄

詳しくはこちら

越前ガニのおすすめ料理

おすすめ料理一覧

越前がに甲羅蒸し

越前がに甲羅蒸し

4人分

セイコガニたっぷりの贅沢な一品