トップページニュース漁、競り・市場 > 145年前の海難語り継ぐ供養祭 区民・遺族が調査、越前町

145年前の海難語り継ぐ供養祭 区民・遺族が調査、越前町

2011年05月16日

漁、競り・市場

 1866年に福井県越前町米ノの漁師43人が漁の最中に水死した事故を語り継ごうと、事故から145年目を迎えた15日、遺族や区民約50人が、共同墓がある米ノ墓地公園で供養祭を営んだ。風化しつつある事故や亡くなった漁師の法名などを、区民有志が丹念に調べ供養祭を“復活”させた。新たに石碑が建てられた墓地で参列者は過去の惨状を振り返り、海に対する用心を再度胸に刻んだ。

 1866年5月14日夕、丹後沖でのサバ漁に向け16隻の手こぎ舟が米ノ(当時米ノ浦)を出発した。翌15日の朝に海が急に荒れ、8隻が海に沈んで漁師43人が亡くなったとされる。旧越前町の町史にはこの歴史や一部漁師たちの法名が記されていたが、年月を経るうちに遺族や区民の記憶から消えかかっていた。

 前区長の中橋鍈治さん(73)が同墓地公園に建つ共同墓に気をとめ、昨年春から亡くなった43人を檀家(だんか)に持つ区内外の4カ寺を区民有志とともに訪ね始めた。過去帳に残る屋号などを基に調べ、今年1月には全員の法名を初めて明らかにした。12歳の少年が亡くなっていたことも分かった。

 調査では遺族の家を1軒1軒訪問したが、半数以上で言い伝えが途絶えていた。供養も、共同墓が建立された当時は行われていたと考えられるが、現在では区民の関心は薄れていたという。

 供養祭に伴い共同墓の土台を整備。全員の法名や事故当日の様子を刻んだ石碑が遺族の浄財で建てられ、除幕された。中橋治典(みちのり)区長(63)は「尊い命を落とされたが、海に対する準備は怠るな、という貴重な戒めを後世の区民に残してくれた。末永く語り継いでいかなければならない」とあいさつした。4カ寺の住職が読経を行い、先人の無念さに涙ぐむ参列者も見られた。

事故当時に建立された共同墓(中央)と、43人の法名を刻んだ新たな石碑(左)の前で営まれた供養祭=15日、福井県越前町米ノ


おすすめの宿

おすすめの宿一覧

割烹旅館 越前満月

割烹旅館 越前満月

広大な敷地にわずか9室をしつらえた木造平屋造りの宿。広々とした部屋、和の庭園、贅を尽くした露天風呂付客室がお迎えします。

光風湯圃 べにや

光風湯圃 べにや

3年の構想を経て再建された"老舗旅館"

おすすめの料理店

おすすめの料理店一覧

長者町 いわし屋

長者町 いわし屋

至高のゆで蟹の秘密は絶妙のゆで時間

らでん

らでん

越前がにを極めて30年以上。県内一のかに問屋が営む日本食レストランで、越前海岸と同じ最高の鮮度と味のカニを楽しめる。

開花亭

開花亭

国指定有形文化財に選ばれた歴史ある老舗料亭。ここでしか出会えない、職人技が光る贅の限りを尽くした越前がに料理を堪能できます。

越前がに職人

一覧

至高のカニを確実に提供

刀根瑛昌

詳しくはこちら

越前ガニのおすすめ料理

おすすめ料理一覧

セイコガニの甲羅盛り

セイコガニの甲羅盛り

1人分

カニみそも足の身もあますところなく盛りつけ【動画あり】