漁船と連携し品質を判断
田村幸次
トップページ > ニュース > 漁、競り・市場 > 越前がに漁獲枠 福井県分114トン増 資源回復 安定供給へ自主規制
福井の冬の味覚「越前がに」として知られ、11月6日に解禁されるズワイガニの福井県分の今季漁獲可能量が、昨シーズンより114トン多い455トンに拡大された。資源量が回復傾向にあるため。県底曳(そこびき)網漁業協会はシーズン初めから漁獲量などの自主規制を行い、継続的な安定供給を図るとしている。
ズワイガニは国が漁獲可能量を毎シーズン設定し、各県に配分する。福井など日本海A海域(富山~島根)の今季漁獲可能量は、前季比21.4%増の3400トンと設定。このうち福井は同33.4%増の455トン。内訳は大型船の大臣管理分が同46.8%増の235トン、小型船の知事管理分は同21.5%増の220トン。大臣管理分は7年ぶり、知事管理分は3年ぶりの増枠。
県内の漁獲量はかつて千トンを超える時期もあったが、1979年度には210トンまで低下。その後、資源回復に向けた取り組みもあり500トン前後で推移していたが、10年ほど前から再び減少傾向となり、2019~21年シーズンは300トン台で推移していた。
豊漁だった昨シーズンは漁解禁後10日間で漁獲枠の5割に到達。国から追加配分を受け、漁獲量などの自主規制を実施しながら414トンを水揚げした。内訳は雄が約155トン、雌のセイコガニ約165トン、ズボガニ(水ガニ)約95トン。県水産課は「漁師が漁獲制限を続けてきたことで資源量の回復がみられる」としている。
短期間で取りすぎた昨シーズンを教訓に、県底曳網漁業協会は今季初めから自主規制を行う。1回の漁で水揚げできるセイコガニを従来の5千匹から3500匹に制限。前季途中から行った、雄やズボガニも含めた甲羅のサイズ規制も継続する。同協会の担当者は「越前がには貴重な資源。シーズン中や将来にわたって安定的に漁獲できるよう努めていきたい」と話す。
今シーズンの漁期は11月6日からで、雄のズワイが3月20日、セイコは12月31日まで。ズボガニは2月20日~3月20日。