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中瀬康雄
トップページ > ニュース > セイコガニ料理などで優勝 日本料理コンペ予選会
「第4回日本料理コンペティション」の東海・北陸地区予選大会がこのほど静岡県で開かれ、福井県福井市の割烹レストランの料理長、畑地久満さん(39)=越前町=が優勝し地区代表に選ばれた。2月に京都市で開かれる決勝大会に向け「豊かな食材を使った福井の料理と料理人を全国にアピールしたい」と意気込んでいる。(土山実穂)
料亭の主人らでつくるNPO法人「日本料理アカデミー」(京都市)が2007年から2年に1回開いている。今回は全国6地区と新設の海外の予選大会を勝ち抜いた14人から日本一を選ぶ。全体では過去最多の201人から応募があった。東海・北陸地区は22人で、書類審査を通過した6人が腕を競った。
車エビ、タイ、豆腐の課題食材を使い、汁物、焼き物、煮物の3品4人分を食材費5千円以内で3時間で仕上げた。同NPO理事長で老舗料亭「菊乃井」(同市)の主人村田吉弘さんらが作業や盛りつけ、味などを審査した。
畑地さんは県産食材にこだわり、▽セイコガニの身や内子を使った豆腐のお吸い物▽トウガンのしんじょうの薄くずあんかけ▽タイの月冠焼き、秋の吹き寄せ盛り―を調理。食材をはじめ繊細な細工、盛りつけで四季の移ろいを表現した。
福井市中央3丁目の「開花亭sou―an」料理長を務める。前回は地区予選3位で代表にはなれなかったが、今回は「落ち着いて丁寧な仕事ができた」。ライバルは老舗店の精鋭たちばかりの中、「畑地さんなら大丈夫」との常連客やスタッフ、社長の言葉が大きな力になった。
予約の時間や予算、人数などを基に好みや場面を想像してメニューを考え、それを食べたお客の表情や感想から反省点を見いだす。「試行錯誤の連続です」。たまの休みも絵画や生け花、建物など、さまざまな文化に触れて感性を磨いている。
2月23日の決勝大会では当日提示される食材を使って、縁の高い器に料理を盛りつける縁高(ふちだか)弁当を仕上げる。「日々の中で積み重ねてきたことを出すだけ。四六時中、考えるのは料理のことばかり。毎日が修業です」と充実した笑顔を見せた。