福井県の越前町漁協所属の底引き網漁船全49隻が3月3日、一斉に休漁した。越前がになどの競り値が大幅に下落しているためで、新型コロナウイルスの感染拡大で外食の自粛が広がるなど魚介類の需要が落ち込んでいる影響とみられる。4日からは通常通り出漁するという。
同漁協などによると、越前漁港では2月下旬から徐々に競り値が下がり、3月に入りズワイガニや水ガニは平年比5割超の下落となった。底引き網漁終盤の3月は例年下がる傾向にあるが「それ以上の下落幅」という。
こうした流れを受け3日朝、同漁協所属の底引き網漁船49隻のうち43隻を占める越前町小型底曳網組合が休漁を決め、大型船も追随した。同組合の久保徳人組合長は「出漁しても売れないならと役員らの総意で決めた」と話した。
また坂井市の三国港機船底曳網漁協は、例年3月は週末だけの出漁だが、3日までに来週末以降の出漁を見送る方針を決めた。浜出征勝組合長は「漁に出ないのはマイナスだが、出ても燃料費や人件費がかかる。仕方ないとはいえ、痛手だ」と困惑した様子だった。