福井県が誇る冬の味覚、越前がにの漁が6日、解禁された。初日の漁は、強風で波が高く早めに切り上げられ、午前6時ごろ、越前町の越前漁港に次々と船が帰港した。水揚げ作業は正午ごろに開始。船から新鮮な越前がにが詰められたトロ箱が次々と下ろされ、港は一気に活気づいた。越前町漁協の初競りは午後2時から行われ、県が設定した最上級ブランド「極(きわみ)」の1匹目に37万円の値がつき、競り場に拍手が沸き起こった。
越前町大樟の越前漁港では5日、出漁式が行われ関係者約50人が安全と豊漁と祈願。午後8時半ごろから、約50隻の船が順次出港した。午前0時の解禁にあわせ網が入れられたが、波が高く多くの船が早々に漁を切り上げた。
帰港した船にはトロ箱いっぱいにズワイガニやセイコガニが詰められ、関係者は水揚げ作業に追われた。競りに向け用意された水槽にズワイガニを入れたり、越前がにを証明する黄色いタグをカニの足につけるなどしていた。
越前町漁協の小倉孝義専務は「量は例年の初日に比べ約3分の1。強風では仕方がない。好調だった昨シーズン並みになるよう今後に期待。新鮮な最高の越前がにを多くの人に食べてもらいたい」と話している。
昨季の漁獲金額は前期比19%増の21億2100万円で、過去最高を記録。県が設定した最上級ブランド「極(きわみ)」も功奏。県は全体の評価が高まり単価が向上したと分析している。「極」は重さ1・3キロ以上、甲羅幅14・5センチ以上、爪幅3センチ以上の越前がに。
越前がにの漁期は雄ガニが6日~来年3月20日、雌ガニが6日~12月31日で、水ガニは来年2月9日~3月20日。