「越前がには日本で一番おいしいカニ」
田村幸一郎
トップページ > ニュース > 2014年12月 > 酸味とまろやか卵ソース味カツ丼 ふくい美味探訪福丼県編
厚切りトンカツを煮込むのは、ウスターソースにだしをブレンドした秘伝だれ。卵でとじ、完成したカツ丼は、酸味とまろやかさが味わえる卵ソース味。「蕎麦(そば) 天婦羅(てんぷら) やす竹」が創業以来、父子2代で守り続ける名物だ。
「うちでは、これが当たり前のカツ丼だった」と店主の北谷敏一さん(47)は振り返る。38年前に開業した父親の強さん(72)が作り続けていたのが、この味だった。
先代の「やす竹」は、そば以外にも丼物、ラーメンなど多様なメニューで品数をそろえ、出前もする食堂スタイル。高校卒業後、料理学校を経て店に入った敏一さんは、そば打ちの奥深さを学ぶうちに業態の一新を考えた。
数年間は意見が対立したものの「最後は、おやじが折れてくれた」と敏一さん。約15年前、つなぎなしの十割そばと、てんぷらに特化した店に一新。契約農家から仕入れた県産ソバを石臼でひき、てんぷらの食材も地元産にこだわった品々をそろえた。
ただ唯一、メニューに残したのがカツ丼だった。名物目当ての常連客が多い上、「直しようのない完成された味」だったからだ。
「このカツ丼に親しんだ世代が子どもらを連れ、そばやてんぷらも食べてくれるときが何よりうれしい。屋号が続く限り名物を残したい」と敏一さんは話す。初代から続くカツ丼と、2代目こだわりのおろしそばは、とてもよく合う。
メモ カツ丼は単品880円。おろしそば、ミニサラダのセットで1140円。営業時間は午前11時~午後4時と、同5時~同9時。福井市文京7丁目。水曜定休。電話0776(26)7281。