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生け締めで高鮮度「越前がれい」 越前がにに次ぐブランドに

2014年12月05日

その他

漁港で新鮮なうちに締められるアカガレイ=越前町大樟 脂が一番のった今が旬の魚アカガレイ。越前町で近年漁獲量が増えているアカガレイを「越前がれい」としてブランド化する取り組みが進んでいる。付加価値を高めようと町漁協や県漁連などは9月から、鮮度を保つために生け締めして出荷を始めた。関係者らは「将来は『越前がに』に次ぐブランドに」と期待を寄せる。ただ知名度がまだ低く、市場や消費者に定着するには時間がかかりそうだ。

■刺し身

白く透き通った刺し身は、食感が良く甘みがあり肉厚で味も濃厚。「高級魚ヒラメよりうまい」と漁師の間では評判だった。ただ1日で鮮度が落ちてしまうため、漁師や釣り人しか知らない“幻の味”だった。

しかし、新鮮なうちに血抜きして針金で神経を壊す生け締めをすると、4日間も鮮度を保てるという。同町漁協の小倉孝義専務は「東京で食べても浜と全く同じ味。3日目が最も甘みが出る」と太鼓判を押す。

県漁連越前支所によると、生け締めしたアカガレイの出荷量は当初の1日15~20キロ程度から、10月中旬には多い日で200キロ以上に増えた。出荷先は東京・築地市場だけだったが今は福井市中央卸売市場でも扱う。町漁協から買う地元の民宿や旅館も4、5軒出てきた。

■付加価値

取り組みの狙いは漁師らの収入増だ。同町漁協の総漁獲高は最も多かった昭和40年代は約50億円あったが、昨年度は約23億円、登録船の数も半分以下になった。

漁は9月から翌年5月まで続く。昨年度、同町のアカガレイ漁獲量は約965トン。カニも含めた魚種別では最も多く全体の約4分の1を占める。

町は1999年から県と国の補助を受け、海底の堆積物をかき混ぜ魚のえさとなるプランクトンの繁殖を促す「海底耕耘(こううん)」を実施。これにより当時約500トン程度で減少傾向だった漁獲量は約2倍に増えた。

しかし価格は1キロ数百~1千円ほど。5千円近くになることもある“ライバル”のヒラメと比べると、決して高くない。

またアカガレイは全国で捕れるため、「付加価値をつけて差別化しないと価格アップ、収入増にならない」と同支所の井村和人次長。「生け締めは築地でも聞いたことがない。刺し身で食べられるという話題性があり名前を売るチャンス」と期待する。

■積極PR

同町では2009年ごろにも関係者向けに試食会を開くなどブランド化を試みたが、手間がかかるなどで徐々に出荷は少なくなった。今回は町漁協、県漁連が町、県と協力し、漁師への技術指導のほかポスター製作やメディアでのPRなどを積極的に行っている。

出荷量を増やし、いつも市場にあることも肝心だ。ただ締めるのは全て漁師の手作業。簡単に量は増えない。急いで作業が雑になれば魚を傷つけてしまう。価格は締めないものと1キロ900円近く差が出ることもあるが、200~300円しかないこともある。

出荷はカニシーズンに入った11月も、1日10~20キロだが途絶えていない。小倉専務は「やっと入り口に立ったところ。これからが大切」と先を見据えた。
 


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