「越前がには日本で一番おいしいカニ」
田村幸一郎
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歴史的背景があると思われます。
「越前がに」がすむ深い海域で操業できるようになったのは江戸時代の始めからです。越前の海は急深で、漁場が近いとはいえ、手こぎの船での航海には時間がかかります。ですから、保冷技術がない夏には鮮度維持に苦労したと思われます。特にカニは傷みが早いため、港に戻ったころには食用になりづらかったことでしょう。
産卵期は冬ですから、雌ガニは卵巣の発達した冬のほうに値打ちがあります。また、脱皮の時期は夏から秋ですから、その時期のカニには良いカニが少ないのです。
今でも底びき網漁業は、7月と8月は休業しています。
(情報提供:越前がにミュージアム)