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中野良一
トップページ > ニュース > 2011年5月 > セイコガニ漁終了、14年ぶり大漁 不況響き価格は14%減
越前ガニ漁は十日で雌のセイコガニの漁期が終了した。三国港では三万四千三百三十五キロを水揚げし、十四年ぶりに三万キロの大台を回復した。価格は長引く不況もあって、浜値で昨シーズンを約一四%下回り”高値の花”もちょっぴり庶民の食卓に近づいた。
越前ガニ漁は昨年十一月六日に解禁。三国港からは十七隻(福井県福井市鷹巣港の一隻を含む)が出漁した。出漁日数は二十六日で、昨シーズンより二日減ったが、水揚げ量は四千五百五十五キロ、一五・三%上回った。
同港のセイコガニ漁は、昭和五十六年度に三万九千三百八十キロを水揚げして以来、年々減少。平成三年度には一万千二百七十キロまで落ち込んだ。しかし、その後は増加に転じ、順調な回復傾向を示している。
一方、価格の方は、不況が反映して贈答用の需要が減り、卸値で一キロ当たりの単価が四千百八十七円と前年度を六百八十七円、一四%下回った。このため、競り市の取引総額は、前年度より約百四十万円少ない一億四千三百七十五万円(約一%減)にとどまった。
十四年ぶりに三万キロの大台を回復したことについて県漁連三国支所の北浜明所長は「漁期の短縮など、資源保護の取り組みが徐々に効果を表してきたのでは」と話している。