「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 1996年10月 > 越前ガニ料理でオリンピックへ 県選手団”お点前”披露
今年の九月にドイツのベルリンで行われる第十九回世界料理オリンピック大会に日本代表として初めて参加する、福井県選手団が合同で制作した料理がこのほど、鯖江市のサンドーム福井で発表された。「自然の恵みと健康」を総合テーマに掲げ、越前地鶏やそば粉、越前ガニなど地元産の食材を活用。桜のリキュールなども使った日本らしい料理を披露している。同大会に出品する作品はおよそ九品目。その中から、細部にまでこだわった色鮮やかな作品をいくつか紹介する。
■森からの贈り物
日本の国鳥、キジをメーンにした料理。写真中央は「きじのドディーヌ木のこ詰め蕎麦粉巻」。まつたけをキジの胸肉のムース、キジのもも肉で包む。さらにキジの胸肉のムースにグリンピースの皮とピューレを混ぜ、色を加えた。最後に本県の特徴を生かしたそば粉のクレープで巻いている。
写真左下は、「きじとポアローのお菓子仕立て」。日本ネギよりも繊維があらく肉厚、味も甘い西洋ネギ、ポアローを使用。ポアロー、キジの胸肉、レバーの三段に並べ、赤ワイン風のゼリーで寄せた。仕上げはポアローネギの皮で巻いた。
■海の幸のクリスタル仕立て
マスの卵とエビの尾をカットしたもの。赤、緑、黄などの色鮮やかなピーマンを透明なゼリーで寄せて、クリスタルを思わせる三角柱に仕立てた。
周囲は、トリュフをしんにして、越前ガニの身を固めて巻いたもの。パパイヤをくり抜いたものを飾り、黄色の色どりを添えている。
カニの足を思わせる作品となっている。
■地鶏・豆腐・胡麻のガランティーン
越前地鶏のレバーのムースをトロロ芋を使ってつないだ絹ごし豆腐で包んだ。さらにホウレンソウで巻き、その周りを胡麻(ごま)を混ぜた地鶏の胸肉のすり身、胸肉を重ね、鶏の皮で巻いてコルネ状に仕上げた。
中央は豆腐のムースに、和菓子に使う上新粉でせんべい状にした飾りを乗せ、鶏の姿に見せている。付け合わせは、地鶏のとさかとシメジ。
デザートのガトー部門。
■桜
日本をイメージする桜をメーンにしたケーキ。桜の香りが広がるリキュールをケーキのスポンジに染み込ませ、同リキュールを使ったムースをサンド。
表面には同リキュールを使ったゼリーをのせ、桜の塩漬けで飾った。側面はホワイトチョコで彩りを添えている。