「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > カレイに変更、トロ箱次々笑顔戻る 厳冬を追う、越前がに漁(3)
カニ漁を中断、漁場を移してのカレイ漁が始まった。網を入れて約1時間。「ジリリリリー」と仮眠室にベルが鳴り響き、網を引き揚げる時間を知らせる。「シャッターチャンスを逃すまい」。慌てて甲板に向かったが、漁師たちには一歩後れをとってしまった。
網がつり揚げられ甲板に中身が放出された。アカガレイや甘エビがピチピチと躍っている。淡々としていた漁師たちの表情に一瞬だけ、笑顔が浮かんだ。成果はアカガレイが数十匹と甘エビ少々。つかの間の青空の下で、大きさごとに仕分けし、発泡スチロールのトロ箱が次々に並んだ。
素人目にはなかなかの大漁だが、岩崎船長はといえば「まあまあやの」とあいまいな答えのまま。まだまだ満足できる水揚げではないようだ。
午後4時すぎに早めの夕食を取る。船長が「この後ズワイ取りに行くわ」と一言。それを聞いた弟の玉喜さん(35)は「一発逆転できるかもしれんぞ」と白い歯を見せた。