競り落とすには度胸が必要
中橋睦男
トップページ > ニュース > 2012年11月 > 釜ゆでの湯気、食欲誘う 越前がにの水揚げ港
越前海岸沿いの港町では冬になると、路地の店先から釜ゆでの白い湯気が立ち上る。釜の中から現れるのは鮮やかな紅色の越前がに。日本海の冬の味覚の王者であり、福井県のトップブランドだ。
越前がにの漁期は11月6日から3月20日。越前町や坂井市三国町の漁港では、本県産の証しである黄色いタグを付けた新鮮なカニが続々と水揚げされる。威勢のいい競りの掛け声が響き、活気に満ちる。
民宿や鮮魚店がひしめき合うように軒を連ねる越前町の国道305号沿い。各店は熱湯をたぎらせた大釜でカニをゆで、店頭に並べる。堂々とした姿のズワイガニ。内子や外子がうまいセイコガニ。食欲をそそる香りが辺りにふんわりと漂い、湯気に誘われるように観光客も車を止める。五感を刺激するような光景が広がっている。