「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 2012年11月 > 坂井・三国でカニまつり エッセル堤ライトアップも
福井県坂井市三国町恒例のイベント「三国温泉カニまつり」が十七、十八日にサンセットビーチ駐車場で開かれるのに合わせ、坂井市は三国とオランダのつながりを紹介するイベントを行う。夕闇のなか、オランダ人技師が設計した国の重要文化財、三国港突堤(エッセル堤)を二日間ライトアップ、また写真パネルで突堤が果たす機能を紹介する。
三国港突堤はオランダ人技師エッセルが設計、同技師のデ・レイケらが築堤し一八八二(明治十五)年に完成した。ナラやクリの木を編んで組み上げ、石を詰め沈める独特の土木工法「粗朶(そだ)沈床」が基礎に使われているのが特長。〇三年に重文指定された。
九頭竜川から河口に運ばれる土砂を海中深くに流し込む「導流堤」と「防波堤」の機能は優れた技術と高い評価を受けている。またエッセルは、木造五層八角の龍翔小学校(みくに龍翔館のモデル)も設計、龍翔館と同突堤は、エッセルらが三国町に残した貴重な遺産として知られる。
イベントは多数の来場者でにぎわう同まつりに合わせ、同市がみなと振興交付金事業の一環で行う。二日間の午後四時半から同十時半まで、突堤をライトアップ。会場にブースを設け、突堤の設計図や建設風景などをパネル写真で紹介。また「古城さくら小町」の三人が、オランダの民族衣装を着て、同国特産のチーズ、ワッフルのほか、木ぐつなどの雑貨も販売する。
市商工観光課は「美しく海に伸びる突堤は市の宝。市民に広く愛してもらうことで、港周辺の活性化にもつなげていきたい」と話している。
同カニまつりは両日とも午前六時から。三国漁港で水揚げされた越前がにを即売するほか、ガサエビ鍋約千五百食が無料で振る舞われる。