「かにまつり」のPRに奔走
池野政義
トップページ > ニュース > 2011年11月 > 畑の肥料に越前がにの殻を活用 育った野菜は旅館へ、坂井
越前がにシーズンまっただ中、旅館などから大量に廃棄されるカニ殻や甲羅を畑の肥料にする取り組みを、福井県坂井市三国町の農家が始めた。その肥料で育った野菜などを、次は旅館側に使ってもらう、という消費と生産の地域循環を目指し日々、汗を流している。
肥料作りに取り組んでいるのは農家の袖亮二さん(61)、林治己さん(51)ら同町嵩の農家グループ。昨年十二月、カニシーズンを迎え、大量に捨てられるカニ殻の活用法がないかと、町内の宿泊施設から相談を受けた。
もともと有機肥料に興味があったという袖さんらは、カニ殻には肥料の三大要素である窒素、リン酸、カリが十分含まれていることもあり、畑の肥料作りに乗り出した。
ほぼ毎日、休暇村越前三国に足を運び、分別しておいてもらった殻や甲羅を引き取り、ビニールハウスで乾燥させている。乾いた殻は細かく砕き、春には肥料としてそのまま畑などにまくか、発酵させて使用するという。
また林さんらは、その後の展開も模索。その肥料でできた野菜や米を、今度は旅館側に使ってもらい、地域として”有機的な循環”を目指している。行政と連携する話も出ているという。
林さんらは「地元でとれたものを有効活用して循環させていくこと、これこそエコではないか。時間は掛かるだろうけど、長いスパンで取り組んでいきたい」と話している。