長年の経験と技術でカニの居場所探る
中野良一
トップページ > ニュース > 2010年12月 > 雪のように真っ白なズワイガニ現る 越前がにミュージアム
福井県越前町の沖合で、甲羅から足まで全体が真っ白の越前がにが水揚げされ、同町厨の越前がにミュージアムに展示されている。体長約80センチのズワイで、普通のズワイと水槽内でじゃれ合う姿が見られ、「紅白でめでたい」と来館者らの話題になっている。
11月19日に同町越前岬沖、水深約280メートルでカニ漁をしていた同町梅浦の漁師宮地敏也さん(53)の網にかかり、ミュージアムに持ち込んだ。宮地さんは「一部が白いカニはたまに捕れるが、ここまで真っ白なものは18歳から漁師をしていて初めて。びっくりした」と振り返る。
同館の納谷一也副館長は、つめが大きく丸々としていることから、年齢は雄が年に1回、一生で12回する脱皮を全て終えた13歳以上と推測する。重さは約1キロあり、堂々とした“体格”だ。
先天的な遺伝子疾患で色素がない「アルビノ」とみられる。白くて目立つため外敵に狙われやすく、ここまで大きくなるのは珍しいという。
体全体がほんのりと光を放っているようにも見える。片方のつめが折れているため餌が食べにくいようだが、体に乗ってきたほかのカニをよけたり、斜めになって移動したり元気に水槽内を動いている。
夏と冬に交尾するため、同館は「白いカニが生まれるかも」と雌のいる水槽への移動を検討している。カニの寿命は15~18年といわれる。宮地さんは「長生きして、たくさんの人に見てもらいたい」と話していた。