「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 2007年11月 > 水仙まつり漁の町県内外へ発信 カニ鍋、イカ、サバ…ずらり
磯の香り漂う熱々のカニ鍋に、こんがり焼き上がるイカやサバ。水仙産地として名高い福井県の越前海岸一帯は、言わずと知れた漁の町。水仙まつり会場ではカニ、甘エビ、ノドグロといった多彩な鮮魚や干物に加え、カニグラタンなどの調理品もずらり。県内外の観光客に日本海の味覚を発信している。
南越前町河野地区で15、16日に開かれた同まつりの開幕イベント「荒波フェスタ」。地元観光協会は目玉として、セイコが丸ごと入ったカニ汁を販売した。うまみが凝縮した1杯を求め、モクモクと湯気が上がる直径1メートルの大鍋の前に行列が絶えなかった。
「新鮮で安い。うまい魚をたらふく食べるには最高のイベント」。敦賀市から仲間とやって来た靍(つる)光雄さん(59)はカニみそをさかなに熱かんを楽しみ、ご満悦の様子で「福井県に生まれて良かったと実感するのはこういう時」と話した。
会場では観光協会や商工会、地元鮮魚店の出店がびっしりと軒を連ねる。レストラン経営の「あかつき」(同町糠)も毎年まつりに出店、海鮮丼などを販売している。玉村孝樹社長(48)は「まつりをきっかけに海の幸のファンになり、何度も足を運んでもらえれば地域活性化につながる。ここでは利益は考えない」と、原価に近い価格で商品を販売している。
「来場者に喜んでもらいたい」-。共通の目的に向けて、各店の「いらっしゃい」の呼び声には自然と情熱がこもる。