「かにまつり」のPRに奔走
池野政義
トップページ > ニュース > 2006年1月 > 学べる施設目指し“脱皮中” 越前がにミュージアム
越前ガニをテーマに昨年七月オープンした越前町厨の「越前がにミュージアム」は二年目を前に、子供に軸足を置いた施設に脱皮しようとしている。夏休みへ向け展示演出も子供を意識したものを企画。生きたカニの珍種、標本に力を入れるなど学べる施設へ着々と整備を進めている。
同館は開館以来、越前ガニに関する資料、漁具などを展示しアミューズメント色を前面に出してきたが、学べる部門、子供たちに訴える内容を強化しようと検討してきた。
全国のカニを知ってもらうため三、四月には初めて越前ガニ以外の生きたカニを展示。静岡県からは太平洋側に生息する世界最長の足を持った全長一メートル以上のタカアシガニ四匹、本県沖に生息する甲羅にH型の模様があるヒラツメガニ十五匹をトンネル水槽に入れた。
標本も充実を図っている。月替わりで全国に生息するさまざまなカニを展示。全長二メートルを超すタカアシガニのほか、鳥取県でとらえられた後ろにしか歩けないメガネカラッパ、甲羅の凹凸が鬼のように見えるキメンガニなど十種類を追加した。駿河湾に生息するものも加える予定。
夏休みに向け越前ガニの生態などを立体映像で紹介する子供向けの3D映像を近く制作。カニの標本をつくる教室も計画している。
遠足などにも活用してもらおうと県内すべての保育所、幼稚園、小学校にこのほどパンフレットと書面を送り”転換”をアピール。中京、北陸の教育機関へも手紙を送り”学びの場”としてのPRへ乗り出す。
同館では「リピーター対策として学べる施設を目指したい。観光客同様、子供たちもぜひ見てほしい」と訴えている。