長年の経験と技術でカニの居場所探る
中野良一
トップページ > ニュース > 2001年1月 > 越前がにの幼生見よう水槽でふ化 越前がにミュージアム
福井県越前町厨の越前がにミュージアムで、越前がにのふ化が進んでいる。ふ化した幼生は館内の飼育設備や展示用水槽で、稚ガニに成長する過程を観察することができる。
ふ化は二月中旬から始まった。幼生は現在、四本のとげや泳ぐ器官としての遊泳脚を供えた第一期ゾエアと呼ばれる段階で、体長は約一ミリほど。今後、第二期ゾエア、メガロッパと脱皮を繰り返し、三カ月ほどで約五ミリの稚ガニに成長する。
飼育設備は横二メートル、縦一メートルほどの大きさで、水温調整ができる水槽内に約四十個のビーカーが置いてあり、一個当たり四十―五十匹のゾエアが入っている。エサとなるプランクトン「アルテミア」を、水槽横でふ化させ、与えている。カニの成長過程を五月末ごろまで観察することができる。
大間憲之館長は「カニの幼生はあまり知られていない。成長する様子を見てもらいたい」と来場を呼び掛けている。