「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 1997年10月 > 重油事故の風評被害を払しょく 越前ガニに行列、東京で物産展
「福井の海の幸は安全。安心して味わって」―。福井県は重油汚染事故の風評被害を払しょくしようと二十四日、東京で多彩な観光・物産イベントを展開。イメージアップに努めた。
新宿の京王百貨店で開幕した「越前・若狭の物産と観光展」ではずらりと自慢の味を並べてPR。オープニング式で来場者を前に、栗田幸雄知事が「ボランティアらの協力を得て懸命に油の回収を進めている。深海に生息する越前ガニや甘エビ、若狭ガレイは何の影響もありません」と強調。「民宿や旅館は営業しており、安心してお越しください」と呼びかけた。
千三百平方メートルの広い会場では六十業者・団体が海、山の幸や工芸品を並べて店開き、展示即売した。入り口には安全をアピールしたパネルを掲げ消費者の理解を求めた。
海産物コーナーで越前ガニを購入していた都内の主婦(70)は「あんな事故が起きて非常にお気の毒です。カニは大好き。業者の方は品質を吟味しているので大丈夫でしょう。おいしく頂きます」と話していた。
一方、国会に近いホテルニューオータニでは、本県ゆかりの文化人や政財界人、料理関係者ら約五百人を招いて「’97ふくいインビテーションフェア」を開催。知事や池端昭夫JA県五連会長が「事故に負けないようなイメージアップを進めていくので、皆さん一人一人が一役買ってください」と協力を呼びかけた。
カニは今が旬の冬の味覚だけに、長い列が出きていた。休憩室では地元民やボランティアの油回収活動などを写真やパネル、新聞記事で紹介した。
会場にはロシアのパノフ駐日大使も姿を見せた。「福井の皆さんが負けない気持ちで頑張っている姿に感動した。福井県の繁栄を祈っています」と話し栗田知事と握手を交わしていた。