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京都で発覚 「間人ガニ」産地偽装 越前がにでは「起こり得ぬ」 県内漁協 タグ管理と検査、厳格 ふくい農林水産スポット

2024年04月17日

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水揚げされた越前がにに黄色のタグをつけることで産地偽装を防いでいる=2023年11月8日、坂井市三国町の三国漁港周辺越前町漁協が記した管理簿や仕切書。複数書類でタグ数を管理している 今月4日、兵庫県産のズワイガニを京都府京丹後市産の高級ブランド「間人(たいざ)ガニ」と偽って販売した容疑で、同市の水産物販売会社役員らが逮捕された。カニに付ける未使用タグを不正入手し付けたとみられるが、産地偽装はブランドの信頼性を地に落としかねない。ブランドタグ発祥の地である福井県の「越前がに」は大丈夫なのか-。関係者に聞いた。

 越前がにのタグ取り付けは、産地の差別化と偽装防止などを目的として1997年に越前町で始まり、全県へ広がった。2018年には全国のブランドガニの中で唯一、地域の農林水産物や食品のブランドを守る「地理的表示(GI)保護制度」に登録された。

 実は、このGI登録が偽装防止に大きく役立っているという。越前がには外部チェックを受ける厳重な管理が行われ、関係者は「県内での偽装は考えられない」と強調する。

 産地管理を徹底するため漁業者の自主管理だけでなく、農林水産省によるチェックも受ける。監視の目が複数にわたることで、産地の信頼性を保っている。県内漁業者は「未使用タグの横流しは仕組み的に不可能」と口をそろえる。

 越前町漁協では、41隻分のGIタグ管理簿や競りでの販売数を証明する「仕切書」など四つの書類を保管。タグは各漁業者が自宅や倉庫で保管しているが、管理簿には漁期前後のタグ数が明記されており、数が合わない場合は漁業者に再確認を求める。同漁協の南直樹参事は「作業中の破損や海に落として紛失した場合も報告する必要があり、不正使用があればすぐに見つかる」と話す。

 記録類は5年間保管することとなっており、さらに農水省職員が2~3年に一度、検査員として現地で定期検査を行っている。北陸農政局担当者は「規定を守らない漁業者がいれば、GI登録を取り消す可能性もある」とする。9隻が所属する三国港機船底曳網漁協(坂井市)の平野一美組合長は「タグの仕入れ数と消費数の管理と検査は厳格で、間人ガニのような問題は福井ではあり得ない」という。

 タグ自体も改良を重ね再利用できない構造となっている上、爪のある脚に取り付けるため、脚を折るかタグを切る以外でタグを外すことは不可能という。県漁連の中川浩一専務理事は「タグを付けることで他の産地との差別化を図ってきた。誇りを持って越前がにのブランドを高めてきており、悪用する関係者は県内にはいない」と断言した。

 「間人ガニ」産地偽装問題 兵庫県産のズワイガニを京都府京丹後市産の高級ブランド「間人ガニ」と偽り販売したとして、京都府警は4月4日、不正競争防止法違反(誤認惹起=じゃっき=表示)などの疑いで、同市内の水産物販売会社役員ら2人を逮捕した。府警によると「約10年前からやっていた」と容疑を認めており、タグを不正入手したとみて捜査している。


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