漁船と連携し品質を判断
田村幸次
トップページ > ニュース > 県産ベニズワイガニ 殻のうま味を調味オイルに 県内事業者が商品化 水揚げ1隻のみ 漁振興も期待
県内の複数の事業者が連携し、県産ベニズワイガニを使った調味オイルを商品化した。むき身加工後の殻を油で揚げてうま味を抽出し、調理油として使ったりスープやサラダなどにかけたりして味わえる。1隻のみ水揚げしている県産ベニズワイを知ってもらい、漁の振興にもつなげたい考えだ。
北陸新幹線県内開業に合わせて新たな土産品を開発しようと、飲食店割引き券発行事業などを手がけるチケティファイ(坂井市)やITベンチャーのglow(同)などが企画した。商品名は「越前紅ズワイガニうま味調味料」で、年間を通して販売する計画。
県などによると、ベニズワイは漁期が9月から翌年6月末までと越前がに(ズワイガニ)より長く、県内では越前町の漁船、大喜丸だけが水揚げしている。
ベニズワイの甲羅盛りや姿盛りを電子商取引(EC)サイトなどで販売している山下水産(越前町)が、従来は加工後に廃棄していた甲羅や殻を原料として提供。宿泊施設などを運営するIIOプロデュース(坂井市)が、くせの少ない食用油で揚げるなどして製造する。
チャーハンやラーメン、スープ、炒め物、ギョーザのたれなどに入れて使えば、上品な風味が味わえるという。IIOプロデュースの伊藤俊輔社長は「甲殻類特有の匂いが食欲をそそり、料理に使うことで深い味わいになる」と話す。
小瓶入り(50グラム)2200円。福井市のハピリン内土産店の福人喜で販売。今後、飲食店向けの業務用の販売も検討している。問い合わせはglow=電話0776(67)7403。