「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 若狭かれい 秋風に揺れ 天日干し出荷始まる 福井県小浜市
皇室に献上されることで知られる秋の味覚「若狭かれい」の出荷が始まった。福井県小浜市内の鮮魚店軒先には、天日干しの若狭かれいがつり下げられ、陽光を浴びながら秋空を泳いでいるようにみえる。
若狭かれいは、若狭湾で水揚げされたヤナギムシガレイで、上品な甘さが特徴。大きさは体長20cm前後で、大きいものは25cmを超える。県漁連小浜支所によると、毎年10月の底引き網漁解禁に伴い水揚げが始まる。
同市川崎2丁目の魚市場「若狭小浜お魚センター」内の「魚安商店」は、うろこと内臓を取ってから一度水洗いし、塩を振ってなじませてから再び水洗い。サイズごとにより分け、えらの近くに串を打って天日干しする。太陽に当たった若狭かれいはうっすらと透き通り、オレンジ色の卵巣が浮かび上がる。
「脂の乗り具合を見て塩を加減する。意外と手間が掛かるんや」と店長の毛利日出男さん(77)。1串につき5、6匹ずつ丁寧に刺し、つり下げる際にはまんべんなく日光に当たるように平らになでつける。「甘みがしっかり凝縮される」と毎年天日干しでの乾燥にこだわる。早くて4、5時間、一晩干すこともあるという。「これから卵巣も大きくなって一層おいしくなる」と話す。
出荷は来春まで。年末から新春にかけて注文が相次ぎ、全国から寄せられるという。