冬の味覚の王者「越前がに」の漁が最盛期を迎え、福井県越前町の漁港をにぎわせている。忘年会シーズンで港町の鮮魚店や旅館も支度に追われている。
町漁協所属の大型、小型底引き網船50隻が荒波の中、網を入れる。帰港した漁船は午前7時ごろから水揚げ。競り場にはズワイ、セイコがずらりと並ぶ。今年は波が高い日が続いているため平年よりやや少なめという。その分、競り人もヒートアップする。競り落とされたカニは水産販売や鮮魚店の軒先でさっそくゆでられ、港町のあちらこちらで磯の香りが漂う。
漁業、旅館関係者は「身の引き締まった越前がには、おいしさ日本一」と口をそろえる。“日本一のカニ”を扱う自負を胸に、漁師は「いっぱい取ってくるざ」と勇ましく海へ繰り出す。