「かにまつり」のPRに奔走
池野政義
トップページ > ニュース > 浜町に越前がになど食の誘客拠点 料理人の技触れる場に
福井市の足羽山・足羽川周辺でまち歩きを楽しめる空間の再形成を目指す市基本構想策定委員会は15日、浜町界隈(かいわい)に本県の伝統的な「食」を発信する観光誘客施設の整備を検討していくことを確認した。福井が誇る食材の本来の魅力を提供できるように、料理人の技術習得の場を兼ねた新しい切り口の施設を目指す。福井藩の米国人教師グリフィスの記念館を併設し、交流の歴史を発信する。
年度内の基本構想策定に向けた第2回会合を同日、市役所で開いた。計3回の市民ワークショップと作業部会の意見を中間的にまとめ構想の方向性を確認した。
同市中央3丁目の浜町は、JR福井駅から足羽川・足羽山方面へと観光客を誘導する周遊の拠点。施設では、越前がにや若狭ふぐなどの料理人を受け入れ、観光客が一流の調理技術に生で触れながら“本物”を味わえる場を複合的に整備する。
開発毅委員は「食の担い手に触れてもらう“動的”な観光資源。いいものを誇らしく再提示すべきだ」と指摘。食を通じた他の観光地域とのネットワーク化も提案した。
また、19世紀後半にグリフィスが住んだ洋風建築「異人館」が浜町にあったことから、記念館を併設。福井藩初の留学生日下部太郎との縁を通じた国際交流の歴史を紹介する。両施設は、官民協働の整備・運営を求めることとした。
浜町とともに周遊拠点となる足羽山の市自然史博物館は、福井駅西口再開発ビルに整備する分館との連携を意識し、天体望遠鏡を生かした夜間の利用にも力を入れる。
足羽川沿いでは、旧佐佳枝ポンプ場跡地(中央2丁目)に観光ボランティアが常駐する案内所を設ける。足羽山ふもとの水道記念館では、散策中に休憩できるレストランの整備を検討する。
委員からは「体験・交流の空間を意識した。まずは市民が楽しめる空間にすることが大切」との意見が出された。
次回は来年1月の予定。拠点同士を結ぶ回遊性の向上について協議し、構想の素案をまとめる。越前がに漁の解禁日は11月6日。