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中瀬康雄
トップページ > ニュース > 2013年3月 > 越前がに黄色タグ、セイコにも装着へ ズワイとブランド化目指す
「越前がに」(ズワイガニ)の雄に付けられたプラスチック製の黄色いタグは十年前にお目見えし、今では福井県ブランドを示す標識としてすっかり定着。一方、雌のセイコガニにもタグを付け他県との差別化を図ろうという動きが浸透してきている。県や県漁連は今後、雄雌合わせて全国にPRしていきたい考えだ。
雄ガニのタグは県漁連が一九九七年に作製し、翌年に定着。今では三国、越前、敦賀、小浜の各漁港に水揚げされた雄ガニすべてに装着されている。
セイコへの装着を県内で初めて開始したのは、越前がに総水揚げ量の約七割を占める越前町漁協。兵庫や鳥取、石川県沖産の割安なカニとの差別化を図ろうと二〇〇四年、越前漁港で水揚げされたことを示す黄色いタグを小型底引き網組合が作製した。
タグの表面には越前がにのキャラクターをデザインし、裏には船名を入れた。足の細いセイコガニに合わせて留め具を工夫。一度外すと再度付けられないようにした。
同漁協の小型底引き網漁船四十八隻が付け始めたところ、地場産の区別がしやすいと消費者や仲買人に好評。今年は商標登録を行い、敦賀漁港に水揚げする沖合底引き網漁船六隻にも拡大。当初定めていた装着規格も緩和した。同漁協は「消費者や量販店もタグ付きを求めることが増え、定着しつつある」とみている。
三国漁業協同組合も昨年、試験的にタグ装着を実施。ただ所属する沖合底引き網漁船の漁獲するセイコは一隻当たり四千―五千匹で、一匹ずつタグを付けると数時間掛かるため、タグ以外の方法も含めて検討するとしている。
県水産課は「タグに何らかの改良を加えるなど、労力を軽減する工夫をして、県内全体でセイコガニのブランド化に取り組みたい」とし、県漁連も「雄だけでなく雌も含めた越前がにとして、PRしたい」と話している。