「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 2006年11月 > 越前がに、コウノトリ研究させて 県立大予算、県民が審査
福井県立大教員の新規研究費の申請について県民が審査する「地域貢献研究推進委員会」が11日、永平寺町の同大福井キャンパスで開かれた。教員たちは研究採択を目指し、越前がにやコウノトリなど本県ならではのテーマに絞った研究を懸命にアピールした。主婦や会社員ら委員が、研究の意義などについて厳しい目で審査した。
地域振興に役立つ研究かどうかを県民に評価してもらおうと、2004年度から毎年行っている。本年度の新規研究の予算枠は約1800万円。一方、申請は経済、生物、海洋生物分野などで20件計3500万円に上った。
審査する委員は公募などで選ばれた会社員や農家、主婦、環境団体代表ら10人。▽地域に役立つ研究か▽具体的な成果が早期に期待できるか-などの4項目でチェックした。
1件のプレゼンテーション時間は15分。教授や准教授、講師たちはスライドを使って研究意義や内容、将来見込める効果などを積極的に訴えていた。
コウノトリの放鳥に向けた餌場整備に関する研究では、講師が越前市白山地区の休耕田を生かし、餌となるドジョウの養殖システムを提案。「餌場環境を充実させ、コウノトリの定着を目指したい」と熱く訴えた。
このほか、越前がにの殻にある成分を利用して養殖の若狭フグの免疫力を強める研究や、県産大麦の増収を目指した栽培方法の確立など、地域発展を意識したものが次々に発表された。
委員からは「海外調査は必要か」といったコスト面に対する厳しい指摘や、見込まれる効果について鋭く切り込む質問が相次いでいた。
審査結果を踏まえ、7月中にも西川知事が対象研究と交付額を決定する。採択された研究は、年度末に開かれる同委員会で、進み具合や成果についての評価を受ける。