長年の経験と技術でカニの居場所探る
中野良一
トップページ > ニュース > 1997年1月 > 越前町漁協が神戸でカニを無料配布 越前ガニの安全PR
重油汚染での風評被害で落ち込んでいる越前ガニの需要を回復させようと、越前町漁協は二十九日、神戸市のJR神戸、三ノ宮の両駅でカニを無料配布し、安全PRをした。産地直送の冬の味覚は、長い行列ができる人気だった。
重油の回収に出て亡くなった組合員の追悼の意も込めて企画。震災から復興の道を歩む神戸に、越前町もならおうと開かれた。
用意されたのは二十八日に水揚げした水ガニ六千六百人分、カレイとエビのセット四千四百人分の計一万一千人分。この日朝、四トントラック二台で神戸に出発。両駅とも午前中に引換券を配り、午後二時の開始を待ちきれない市民が昼すぎから大勢詰め掛けた。
漁協婦人部の人たちが「越前ガニは安全でおいしいです」「越前海岸に遊びに来てください」と呼び掛けながら配った。受け取った市民のうれしそうな笑顔に、漁民はPRの確かな手ごたえを得た様子だった。