漁船と連携し品質を判断
田村幸次
トップページ > ニュース > 越前がに資源量最高 福井県沖推定、過去10年で 漁獲安定見通し
11月6日に漁が解禁される福井県沖の越前がに(ズワイガニ)について、漁獲対象となる推定資源量が雄雌ともに過去10年で最も高い水準にあることが10月31日、県水産試験場の調査で分かった。漁業者が自主規制を強化するため、今季の漁獲量見通しは具体的には示していないが、「安定した漁獲が見込まれる」としている。
6月に実施した調査に基づき算出した推定資源量は、雄雌の合計が前年比45.5%増の4349トン。内訳は雄が65.3%増の3348トン、雌のセイコガニが3.9%増の1001トンで、いずれも過去10年で最高水準となっている。この10年で最も少なかった2014年の推定資源量は雄1677トン、雌224トンで、漁業者らの資源回復の取り組みの結果、雄は約2倍、雌は約5倍の水準に増えた。
県水試は前年に比べ増加が顕著な雄について、漁獲の主体となる個体のうち、小型のズボガニ(水ガニ)を含め比較的若い個体の資源量が前年より高い水準にあると推定。来季以降に漁獲対象となる個体の水準も雄雌とも比較的高い見込みとしている。
ズワイガニの資源量回復は国の調査でも明らかになっており、国が配分した福井県分の今季漁獲可能量は、前季比33.4%増の455トンとなっている。ただ、前季は漁解禁後わずか10日間で漁獲枠の5割に達したことを踏まえ、県底曳(そこびき)網漁業協会は今季初めから、1回の漁で水揚げできるセイコガニを従来の5千匹から3500匹に自主規制。雄やズボガニも含めた甲羅のサイズ規制も継続する。
今季の越前がに漁は11月6日午前0時に解禁。県内大小60隻の底引き網漁船が出漁する。期間は雄が3月20日、セイコは12月31日まで。ズボガニは2月20日~3月20日。