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中瀬康雄
トップページ > ニュース > 新三国港市場、3月21日開業 改修完了 衛生強化、観光機能も
福井県坂井市三国町の三国港(みなと)市場の大規模改修が完了し3月21日、リニューアルオープンする。競りが見学できる部屋や多目的スペースを設けるなど新たな観光機能を加えた。地元3漁協で新設した一般社団法人「三国港市場」が施設を管理し、4月17日からは地場の水産物など市の特産を集めた日曜朝市を毎週開催する。食の安心安全を提供し、多くの市民や観光客が集う市場を目指す。
市場は築50年と老朽化し、市は衛生、景観面の向上、観光機能強化を目的に昨年6月から改修を始めた。事業費は3億2千万円。
出入り自由だった競り場に壁やシャッターを取り付け、汚水浸入を防ぐため床をかさ上げするなど衛生環境を向上させた。競り場は今季の越前がに漁解禁に合わせて供用を始めている。
外観は坂井市産木材を用いたルーバー、内部の柱も杉材を巻いて装飾した。にぎわい創出に向けては、一般の人が越前がにや甘エビの競りを見学できるガラス張りの部屋を設置した。
多目的スペースでは朝市に合わせて食を提供するほか、6次産業化に向けて漁業者と地元が協力して商品開発などに取り組む場としたい考えで、観光情報なども発信していく。
市は県漁連との協議で市場施設を無償で譲り受けることになり、昨年末には三国港機船底曳(そこびき)網漁協、三国港漁協、雄島漁協が県漁連に代わる市場開設者として新会社を設立した。施設を管理し、市からの朝市事業を受託する。競り人は引き続き県漁連が務める。
三国港市場は漁獲高の減少や漁師の高齢化など厳しい経営環境に置かれ、水産振興の拠点再整備は長年の課題だった。坂本憲男市長は「北陸新幹線県内延伸で多くの観光客を迎えるためのイメージアップが必要だった。地元の3漁協、住民の協力と工夫で三国の魚の味を広く発信したい」と話している。
◆◆◆三国港市場 完成記念で朝市 魚介類販売や競り体験◆◆◆
三国港市場の完成を記念した朝市が3月21日午前9時から開かれる。約30店が出店し、新鮮な魚介類や農産物の販売や、競り体験など多彩な催しを企画する。
販売ブースでは鮮魚や干し物のほか、焼き鯖寿司(ずし)、牛すじカレー、焼き菓子などをそろえる。
イベントブースでは、数量限定で越前がにのだし茶漬けの振る舞い(午前9時半から1時間ごとで計5回)があるほか、競り体験は午前10時と午後1時の2回で、実際に魚介類などを競り落として購入できる。海女の漁具展示や炭火焼きコーナー、野菜釣り体験なども用意している。
当日は、市場を起点にした三国の周遊観光も楽しんでもらおうと、市場~東尋坊間で無料シャトルバスと、水上バス(片道大人500円)を運行する。
朝市は午後2時までで、駐車場は三国サンセットビーチなどを用意する。問い合わせは三国港市場=電話0776(50)3921。