「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 2011年10月 > セイコガニ漁水揚げ31%増 県漁連三国支所、卸値は93年以降最低
本年度のセイコガニ漁が十日終了、県漁連三国支所は三国港での漁獲量をまとめた。本年度の水揚げは二万六千七百三十キロ(前年度比三一%増)と二年連続で二万キロ台に乗った。しかし、取引総額は、不況などの影響で六千七百三十一万円(同二・九%増)にとどまり、キロ当たりの卸値は「ここ数年で最低」(同支所)となった。
越前ガニ漁は昨年十一月六日に解禁。同支所によると、三国港所属などの漁船十五隻が出漁、期間中の水揚げ日数は前年度より一日少ない二十一日だった。しかし、セイコガニの漁獲量は二万六千七百三十キロと二年連続二万キロ台を維持、前年度を六千三百十三キロ上回った。
取引総額は、六千七百三十一万円と前年度の六千五百三十八万円から微増。水揚げ量を取引総額で割ったキロ当たりの卸値は、一九九三年以降で最低となった。
同支所の北浜明所長は「韓国船の乱獲などで九六、九七年度は漁獲量が落ち込んだが、九九年に発効した日韓新漁業協定などのおかげで増加傾向にある」と分析。下落した卸値については「不況のあおりを受けたうえ、山陰など県外ものが出回ったためではないか」と話している。
三国港のセイコガニの漁獲量は、八一年度の三万九千三百八十キロをピークに減少。八四年度には八千七百キロにまで落ち込んだが、漁期短縮などで増加に転じ、九五年度に十四年ぶりに三万キロ台を回復。その後は、韓国船の影響もあったが九八年度をのぞき二万キロ台を維持している。
三月二十日まで行われるズワイガニ漁の漁獲量は、今のところ前年度より六割ほど多いという。