「越前かに」の名付け親、知名度向上に貢献
壁下誠
トップページ > ニュース > 2009年11月 > ギネス級?巨大越前がにJR駅に出現 北陸新幹線金沢開業控え県が誘客戦略
福井県は11月から、2014年度末の北陸新幹線金沢開業により本県への所要時間が大幅に短縮される北関東、信越を新たなターゲットにした誘客戦略に乗り出した。金沢開業後に沿線となるJR長野駅、高崎駅(群馬県)、大宮駅(埼玉県)で観光宣伝を順次展開し、沿線一帯から本県への誘客増を目指す。
県観光営業部によると、10年度の首都圏から本県への入り込み数は約56万人。金沢市を抱える石川県は約117万人で、大きな開きがある。本県にとって、金沢開業で大幅に増加する交流人口をいかに福井県内まで呼び込むかが大きな課題になっている。
県が特に注目するのが、本県への所要時間が1時間以上短縮される北関東、信越エリア。現行で4時間5分かかる大宮―福井は2時間55分に短縮。高崎―福井は1時間20分縮まり所要2時間35分、長野―福井は2時間半縮まり同1時間50分になる。
大宮駅は東北新幹線、高崎駅は上越新幹線の結節点でもあり、ほかの地域への波及効果も期待できる。また、海がない長野県民にとって、日本海に面する北陸へのアクセス向上は魅力があるとの見方もある。
大宮駅の中央改札前には6日から、越前がにと恐竜をあしらった縦5メートル、横6メートルの大型フラッグ広告が登場した。9、10日には県や県観光連盟、芦原温泉旅館協同組合女将の会などの延べ30人がチームを結成して現地に乗り込み、駅構内で出向宣伝する。フクイラプトルの復元骨格展示やコシヒカリの無料配布などを通じ、本県の観光地や食をPRする。
高崎、長野駅構内にも1日から大型のポスターを掲示した。23日までに両駅でも同様の出向宣伝を行い、同時に埼玉、群馬、長野県内の地元メディア、旅行代理店も訪れて本県を売り込む。
県の推計によると、10年度に群馬・長野北部・新潟南部エリアから本県を訪れた人はわずか1万7千人。同部の佐々木康男企画幹は「観光需要がなかったところに切り込み、福井に注目してもらいたい」と“未開の地”開拓に期待を寄せている。