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中瀬康雄
トップページ > ニュース > 2006年1月 > 古民家移築の料理宿やまざき 料金統一「明朗さ」強調
築140年の古民家を石川県白山市から移築した建物を活用し越前海岸沿いの料理旅館を一新した。全体の3分の1に歴史の重みを感じさせる古材を使用。太い梁(はり)が特徴的な切り妻造りの木造建築で、財団法人日本産業デザイン振興会による本年度のグッドデザイン賞を受賞した。
周辺の宿泊施設よりやや高めの料金設定で、年配夫婦などをターゲットにリッチな旅のひとときを提供している。「宿泊客に、料理を味わいながら懐かしい気持ちに浸ってもらいたい」と経営者の山﨑善朗さん(59)は話す。
以前は近くの別の場所で地上4階、地下1階の鉄筋の建物で営業していたが、海に面しているため、塩害により塗り替えなどのメンテナンス費用がかさんだ。
「次は木造で」と考えていたところ、雑誌で古民家移築を手掛ける長野県の建築家の存在を知り依頼。石川県の設計事務所を通じて古民家の物件を入手し、約半年の工期をかけ完成、2007年11月から営業を始めた。大工7、8人のうち4、5人は宮大工だったという。
古民家の建物自体は格安だったものの、解体、組み立ての費用は一般的な建築物より高額になったが「長い目でみれば有利」と判断した。2階建てで約850平方メートルに客室6部屋、24畳の広間、温泉の大浴場などを備える。5部屋が海側に面している。出来て3年がたち、リピーターが約8割を占めるという。
また、曜日や部屋などにかかわらず、料理込み1泊2日で1人1万8900円に統一するなど「明朗会計」を強調する。越前がにはいけすに約200匹確保しており、提供する直前にゆでる。ゆでたてを「お土産に」と買い求める客も多く、大きなセールスポイントとなっている。