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刀根瑛昌
トップページ > ニュース > 1997年11月 > 重油事故で県が安全PR物産展 越前ガニ、甘エビ「無事」、東京
タンカー重油汚染事故による風評被害を防ごうと福井県は、首都圏を皮切りに近くスタートする大々的な観光、物産キャンペーンを「風評払しょくのチャンス」とイメージアップに乗り出す。今年は「美味と景勝」以上に、水産物の「安全性」を訴える。
県は、二十日から二十六日までを福井県スペシャルウイークに設定。期間中は連日、文化放送のラジオ番組で本県をPRするほか、二十四―二十九日は、東京の京王百貨店で「越前・若狭の観光と物産展」を開催。二十四日は都内のホテルで県特産ブランド料理をPRする「’97ふくいインビテーションフェアinTOKYO」も開く。
例年なら冬の味覚、越前ガニなどを中心にした味と観光のPRだが、今回は重油事故の風評被害防止に活用しようと県では内容を再検討。ラジオの司会者に「番組の中で、カニなどに影響はないと正確な情報を伝えてほしい」と要請するほか、CMでも安全性を訴える。「物産展の来場者から質問がでるはず。一人ひとりに直接答えることで風評を払しょくしたい」という。
観光、料理、マスコミ関係者らを招くインビテーションフェアでは、正確な現状を伝えようと、座礁現場やボランティア活動の様子のパネル写真、新聞パネルを会場に掲示する。特産ブランドの越前ガニ、甘エビ、若狭ガレイの「無事」も強調する。
十八日、県災害対策本部会議で「例年にも増して強力に推進してほしい」とげきを飛ばした栗田知事も、生放送出演やイベントのオープニングで自ら安全性を訴えていく。
県は、二月に大阪で予定しているインビテーションフェアや三月までの間に名古屋、京都、神戸各市で開く物産展でも同様に呼び掛けていきたいという。
また、県観光連盟、県漁連、県旅館環境衛生同業組合は連名で、十七、十八日付の地元紙、大手紙計八紙に「越前ガニ、甘エビ、若狭ガレイには影響ありません」と異例の新聞広告を掲載した。北海道から沖縄県まで全国に向けたもので、広告費約五千万円は全額、県が助成していく方向で検討している。