漁船と連携し品質を判断
田村幸次
トップページ > ニュース > カニ観光施設 新工場に整備 伝食(福井県敦賀市) 2026年春予定 「集客の拠点に」
水産加工品インターネット通販などの「伝食」(本社:福井県敦賀市中央町2丁目)は、市第2産業団地(同市田結)内に2026年春、新工場を稼働させる。カニの魅力を楽しめる観光施設の併設を計画しており、田辺晃司社長は「新幹線開業でアクセスが良くなった地の利を生かし、嶺南や福井を代表する集客拠点としたい」と意気込んでいる。
新工場は、産業団地内で22年9月から操業する現工場の南側に立地。敷地は約1万8千平方メートルで、工場は2階建て延べ床面積は約6300平方メートル。主力製品のカニの殻むきなどの加工を手がけ、現状から生産能力を2倍以上に増強する。事業費は現時点で非公表。ふくい産業支援センターなどの支援を受け、経済産業省の補助金を活用する。
来年2月ごろに着工し、26年春の大型連休前の本格オープンを予定している。観光施設の詳細は検討中とするが、田辺社長は「恐竜や温泉、東尋坊といった“目玉”がある嶺北と比べ、嶺南は新幹線開業後も盛り上がりがいまひとつ。カニのおいしさや魅力に気づいていない潜在顧客にアプローチできるような施設とし、観光面でも地元に貢献したい」と話している。
伝食は11年創業。「越前かに職人甲羅組」のブランド名でズワイガニの冷凍加工食品などを中心にネット通販やふるさと納税返礼品で業容が拡大している。24年9月期の売上高は過去最高の137億円で、30年までに200億円に引き上げる目標を掲げている。新工場建設に伴い、今後3年間で約50人の新規雇用を予定しているという。